リンゴに含まれる残留農薬に気を付けよう

果物の中ではリンゴが好きという人はとても多いと思います。日本人にとって、果物の中でもリンゴは非常に馴染み深いものでしょう。皮ごとそのまま丸かじりする様子を、テレビや絵本など様々なコンテンツで見掛けるように、リンゴはおいしくて手軽な嬉しいフルーツですが、実は、私たちが体内に摂取する過程で気を付けなければならない、非常に危険な面も持ち合わせているのです。

残留農薬含有量が異常に高い

農作物を育てる過程で、農薬や化学肥料を使うことはよくあります。もちろん、農薬や化学肥料を使用することで、農作物の成長をコントロールしたり、害虫から農作物を守ったりと、効果的、効率的に作物を育てることができますし、農業人口がどんどん少なくなっている現代において、いかに効率よく、コストパフォーマンスを考えて農業を進めていくかということは非常に重要な問題です。

しかし、農薬や化学肥料は、本来、人間が自然界において摂取するものではなく、人体に蓄積していくことで身体に思いもよらない悪影響を及ぼす可能性があるのです。中には、脳や神経に異常をきたす物質が含まれる場合もあります。

農薬類を使って育てた作物には、悪影響を及ぼす化学物質が残留農薬として少なからず含まれてしまうのです。中でもリンゴは、イチゴや桃などの果実と並んで圧倒的に残留農薬が多い作物として有名です。リンゴは、育てる過程で膨大な量の肥料を必要とします。

加えて、出荷されるまでの過程で何度も消毒しなければならないのです。リンゴを食べるとき、皮ごとまるかじりしたり、何等分かに切っただけで皮は剥かないという人は少なくないでしょう。しかし、リンゴの表面である皮にこそ、残留農薬が多く残ってしまっているのです。

残留農薬が子供に与える影響とは

わずかな量でも蓄積されると多大な悪影響を及ぼす

残留農薬の含有量が多いといっても、農薬の残ったリンゴを食べただけですぐさま病気になるというわけではありません。作物が出荷され、市場に流通する際、残留農薬量が高くないか、ある一定の基準値が設けられています。

しかも、日本国内においては、ほかの諸外国と比べてその基準値が圧倒的に高く、とても厳しい制限が設けられているのです。基準値を上回る量の化学物質が認められた場合、作物を出荷することができないのです。ですので、農家の方々もできる限り農薬の使用をセーブしています。

しかるべき処置を施し、農薬が残らないよう気を配った上で、どうしても残ってしまうのが残留農薬なのです。一昔前の世代に使用されていた農薬や化学肥料に比べれば、近年開発されている農薬類は人体への影響がかなり微小になってはいますが、それでも本当にわずかな量の農薬が残ってしまうのです。

農薬は基本的に水に溶ける性質のものが多いため、微量の摂取であればそこまで問題になりませんが、ある一定の蓄積量を超えると、人体に様々な悪影響を及ぼします。

しっかりと水洗いし、皮に残った残留農薬を落とすこと

残留農薬の摂取をできる限り避けるためには、作物を摂取する前の水洗いを徹底して行うことが重要です。特にリンゴは、散布された農薬をダイレクトに浴びる皮面をよく洗ってから食べるようにしましょう。洗うと言っても、何か特別な道具を使って洗わなければいけないわけではありません。

単純でシンプルなことですが、食べる前にしっかり水洗いすることが大事なのです。逆に言えば、毎回の水洗いを徹底するだけで、残留農薬を摂取するリスクを格段に減らすことができ、安全、安心にリンゴを食べることができるのです。

もちろん、皮を全部剥いてしまえば、それが一番、残留農薬の影響を気にせずリンゴを食べることができますが、リンゴは皮に最も栄養素があるので、カリウムやリンゴポリフェノールなど、リンゴのもつ栄養素をしっかり摂取したいのであれば、しっかりと残留農薬を落として、皮ごと食べるほうがいいでしょう。

水洗いする際のポイントとしては、流水を使用することと、ある程度時間を掛けて洗うことが大事です。近年、使用されている農薬のほとんどは水溶性で水に溶けるので、きれいな流水でしっかりと洗い落としていきましょう。

また、ごしごしと強くこする必要はありませんが、20秒程度の時間を掛けて水にさらすことで、残留農薬を水に溶け出させることができます。

水洗い以外に残留農薬を洗い落とす方法

水洗いで十分とは言っても、水だけではどうしても気になってしまう、物足りない気がするという人はいるでしょう。水洗いだけだと心配という人は、農薬除去剤など、専用の薬品を使ってから食べ物を摂取したり調理したりするといいでしょう。

専門の薬品を使えば、100%とは言えないにせよ、まずほぼほぼ残留農薬の心配をせずに食事を楽しむことができます。また、薬品でなくてもプラスアルファで使うことでより安心してリンゴやほかの作物をいただくことができるアイテムがあります。

例えば、水素水は水洗いよりも農薬をきれいに落とせることが証明されています。水素水に一定時間リンゴを浸しておくことで、ほぼ完ぺきに残留農薬を除去することができます。このほか、農薬を落とすための専用の洗剤などもあります。

薬剤よりもお手頃で入手することができますし、中には天然の成分のみを使って調合されている洗剤もあるので、こういったものを選べば、洗剤でも安心して使用することができます。

リンゴを選ぶ際のポイント

表面に付着した残留農薬を落とすことも大事ですが、できることなら、購入する時点でできるだけ安心なものを選ぶようにしましょう。日本では、農作物に非常に厳しい基準が設けられていますし、りんごの生産量が高く、レベルの高い品種が数多くあることから、国内に流通しているリンゴは、基本的に国産のものばかりです。

ですので、そこまで残留農薬に過敏にならなければいけないわけではありませんが、より安心感を得たいのであれば、有機栽培のリンゴを選ぶといいでしょう。

有機栽培のものには、JASマークが表示されています。もちろん、通常のリンゴに比べると倍以上の値段がしてしまうので、なかなかお手頃とは言えませんが、その分、残留農薬を摂取するリスクは段違いに軽減します。有機栽培といっても、天然の農薬を使っているケースもあるので、絶対に残留農薬のリスクがないとは言えませんが、通常のものに比べれば圧倒的に残留農薬の含有量は少ないですし、除去もしやすいです。

安心安全な食生活を送ろう

農作物、特にリンゴなどの果物を食べて楽しむ上で、残留農薬の及ぼす影響に注意することを怠ってはいけません。残留農薬対策は、日々の積み重ねなのです。毎日、ほんの少し水洗いを意識するだけで、残留農薬の摂取を気にせずに食事をすることができます。

正しい知識や予防法を知り、安心安全に楽しい食生活を送りましょう。